女性特有の不調や悩みは、なかなか人に相談しにくいものです。 ひとりで多くの症状や不安に耐えながら生活している方もたくさんおられます。 岡村産科婦人科では、あらゆる年代の女性と向き合い、正しい知識をお伝えし、最善の解決法をご提案することが大切な役目であると考えております。 女性特有の健康課題から解放されて本来の自分らしく生きられるように、我慢をせず、ぜひこの機会に当院へご相談ください。
これから挙げる症状や普段とは違う体調不良に見舞われた方は、お早めに当院にご相談ください。
生理痛・過多月経・生理不順・月経前症候群など
生理痛で困ってはいませんか? 生理痛が辛く、日常生活などに支障をきたす場合は「月経困難症」と考えてください。 月経困難症の原因となる病気のうち、子宮内膜症は特に注意が必要です。生理の度に増殖・進行して、妊娠時のトラブルや不妊症、卵巣がん、さらには狭心症や脳卒中の発症にも関わると報告されています。生理痛のある方は、いずれ子宮内膜症を発症するリスクが高く、早めの治療開始がお勧めです。 最近は生理痛に効果のあるホルモン剤の種類が増え、治療の選択肢も増えました。特に「低用量ピル」は、学業や運動に専念する思春期女子にも使用しやすいお薬です。
避妊用ピルと混同されやすいですが、月経困難症の治療薬としてより安全に、効果的に改良された保険適応のあるお薬です。『ピルを飲むことは特別なこと』だと考える人がまだまだ少なくないのも事実ですが、月経回数増加による卵巣や子宮への負担が高く社会的にも忙しい現代女性にとって、『低用量ピル』を生活に取り入れることはQOLの向上につながります。 月経困難症で使用されるホルモン剤には、低用量ピルのほかに黄体ホルモン製剤や「ミレーナ」という黄体ホルモンを持続的に放出する柔らかい器具を子宮内に入れておく治療もあります。それぞれの診断や背景に応じて、お薬や方法を選択いたします。手術が必要な場合は、できるだけ卵巣や子宮へのダメージを少なくする腹腔鏡手術を念頭に連携する病院にご紹介いたします。
おりものの異常・かゆみなど
おりもの(帯下)の臭いや量・色が気になる、かゆみがあるなど女性特有の症状で悩む方はご相談ください。腟や外陰部の診察、おりもの検査、血液検査などで原因を特定して診断します。 おりもの・かゆみ:カンジダ腟炎・細菌性腟炎 性感染症:クラミジア感染症・淋病・梅毒・性器ヘルペス・コンジローマ・トリコモナス
性感染症は早期発見、治療が大切です。 性器クラミジアや淋病はおりものの変化や下腹部の痛み等の症状がありますが、感染しても無症状のこともあり、また不妊の原因にもなります。 また、梅毒が拡大しており、女性は20代が突出して増えています。感染すると、性器や口の中に小豆から指先くらいのしこりができたり、痛み、かゆみのない発疹が手のひらや体中に広がることがあります。妊娠中の梅毒感染は特に危険です。母親だけでなく胎盤を通じて胎児にも感染し、死産や早産になったり、生まれてくるこどもの神経や骨などに異常をきたすことがあります。
妊娠を望む男女が避妊せずに性交をしているにもかかわらず、1年間にわたって妊娠しない場合、『不妊』と判断されます。 当院では、不妊の原因を検査した後、タイミング法・排卵誘発法・人工授精・その他薬物療法(漢方など)などの方法を用いて、一般不妊治療を行います。 不妊のカップルは約10組に1組と言われていますが、昨今においては妊娠を考える年齢が上がっていることから、さらに割合が高いとも言われています。
ただし、女性に排卵がない場合や子宮内膜症を合併している場合、過去に骨盤腹膜炎などにかかっていた場合については、妊娠しにくいことが分かっています。 また、男女の加齢も妊娠が起こりにくい原因の一つとされています。治療を先送りにすることで成果が下がるリスクもあるため、一定期間待たずに、不妊治療をした方が効果的であるケースもあります。 これまで病気とは無縁で病院に訪れる機会がなかったカップルにとっては、「不妊かもしれない」と考えるだけで、大きな不安をお持ちになることでしょう。 そのような場面に直面された方は、まずは健康であるかどうかを確認することが大事です。この先の人生プランを立てるためにも、当院までお気軽にご相談ください。
学校生活の中で月経があることによって不自由はありませんか? スポーツをする女性の方、月経で悩んだことはありませんか? 生理痛がひどく学校を休んでしまう。修学旅行や試験などの学校行事に月経が重なりそうで心配。試合や大会と月経が重なってしまってパフォーマンスが発揮できない、ユニフォームやコスチュームが汚れるのが気になる。月経前の症状がつらい。 逆にスポーツに夢中になっているうちに月経が来なくなってしまった。
月経にまつわる不調を、普段から低用量ピルや黄体ホルモン(いわゆるミニピル)を使うことにより解消させることができます。生理痛の緩和、月経量を減らす、貧血の予防、月経を移動させることができます。採血で貧血のチェックもできます。 年齢やスポーツの競技レベルは問いません。お気軽にご相談ください。
のぼせ、ほてり、発汗、めまい、耳鳴り、イライラ、うつ症状など
日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えます。閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気を伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。更年期障害の特徴の一つは症状が多彩なことですが、十分な問診の上で症状に対して薬物療法を行います。
代表的な治療はホルモン補充療法(HRT)で、飲み薬、貼り薬、塗り薬などいくつかのタイプがあり、またその投与法もさまざまです。そのほかには、漢方薬やプラセンタ注射、精神症状が辛い方には向精神薬が有効な場合もあります。よく話し合いながら、それぞれに合った最適な治療法を選択していきます。
腟・外陰の乾燥・かゆみ・灼熱感、性交痛、尿漏れ、頻尿など
閉経後にデリケートゾーンの不具合がありますか?性ホルモン(エストロゲンとテストステロン)の減少が原因の腟や外陰部の違和感や疼痛、性交痛、尿道付近の不具合などは閉経関連泌尿生殖器症候群(GMS)という新たな概念で捉えられるようになりました。性ホルモンレベルの低下によるものなので、閉経後の方に限らず、閉経前の40代の方においても自覚することはあり、40歳以上の女性の45%もの方が罹患している可能性があるとも言われています。
治療は局所へのエストロゲン投与やホルモン補充療法(HRT)のほか、自費診療になりますが、腟粘膜用のレーザー治療(モナリザタッチ)が有効です。 モナリザタッチについて、詳しくはこちら
計画していない妊娠、望まない妊娠を防ぎたい方へ、『避妊相談』も行っております。 患者さま一人ひとりと向き合い、ご相談にのりながら適した避妊方法をご提案します。 内服が早ければ早いほど避妊率が上がる避妊薬もありますので、お早めにご来院ください。また、「低用量ピル」には“OC(避妊用ピル)”と“LEP(治療用ピル)”の2種類があり、実はこれらは同じ作用の薬なのですが、使用目的が異なります。どちらも排卵を一時的に抑えるので、避妊効果もありかつ月経痛などの改善効果もあります。OC(避妊用ピル)は避妊目的で使うため健康保険は利きません。
子宮頸がんのほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因です。HPVはごくありふれたウイルスで、性交経験のある女性の過半数は、一生に一度は感染機会があるといわれています。このうち一部の人は異形成とよばれる前がん病変を経て、数年以上をかけて子宮頸がんに進行します。 感染HPVのタイプにより進展のしやすさが異なるため、異形成の程度と感染HPVのタイプを合わせて管理をしていきます。
コルポスコピー(拡大鏡)検査によって組織を採取し、異形成の程度やがんの有無を診断します。 高度異形成の標準的治療は子宮の入り口を円錐形にくり抜く子宮頸部円錐切除術ですが、頸管が短くなることで、流早産など将来の妊娠・出産に影響が出る可能性があります。そこで、高度異形成に進行する前の中等度異形成の段階で、レーザー蒸散術という方法を選択することができます。 CO2レーザーで病変を焼いて消滅させる治療法で、流産・早産リスクとなりません。さらに、痛みもなく短時間で済むので、外来での日帰り手術が可能です。 子宮頸部異形成を指摘されていて閉経前の方、とくに将来の妊娠をご希望されている方はお気軽にご相談ください。
女性特有の悪性疾患の治癒率を高める決め手は、早期発見です。 この機会に当院で『子宮がん検診』『乳がん検診』を受けて、ご自身の身体や健康の大切さを見つめ直してみませんか。
『子宮頸がん』とは、子宮下部の管状の部分である子宮頸部に生じるがんのことです。 子宮がんの内、約7割程度を子宮頸がんが占めており、30代後半が発症のピークと言われています。 20歳を過ぎた成人女性は、出血などの症状がなくても、2年に1回の頻度で子宮頸がん検診を受けましょう。 HPVワクチンを接種した場合でも、子宮頸がん検診を定期的に受けるよう奨められています。
『子宮体がん』とは、子宮上部の袋状の部分である子宮体部に生じるがんのことです。 成人女性に増えてきているがんのひとつで、その多くは子宮体部の内側にある子宮内膜から発生するため、子宮内膜がんとも呼ばれています。 子宮体がんで最も多いとされる自覚症状は、不正出血です。閉経後や更年期において不正出血がみられた場合は要注意です。閉経前であっても、過去に月経不順や乳がんを患ったことがある方は注意しなければなりません。
Breast Awareness(ブレスト・アウェアネス) ブレスト・アウェアネスとは、乳房を意識する生活習慣という概念です。 多数の方が乳がん検診を定期的に受けている国では、「乳がんの死亡率が減った」という事実が乳がん検診事業の根拠となっています。 残念ながら、日本で乳がん検診を定期的に受けている人はまだまだ少数です。 一人でも多くの女性が自分の乳房を意識するようになり、定期的に乳がん検診をうけて医師との接点を持っていただくことが、皆さまの健康管理にきっとつながります。 今回の検査を機に、そのような意識を持つきっかけになればと願っております。 当院では、視診や触診、乳房超音波検査で行います。 早期発見と早期治療が非常に大事ですので、自覚症状がなくとも定期的に検診を受けることをおすすめします。乳がん検診の予約に関して、詳しくはこちら