RSウイルス感染症のお話―医師として、そして親としてー

医師:尾﨑清香

RSウイルス感染症を経験して感じたこと
医師として診療に携わる中で、忘れられない経験があります。

それは、自身の子どもが生後間もない時期に発熱した時のことです。
実家に里帰りしていた中で、寝かしつけの際に体がいつもより熱いことに気が付きました。

体温を測ると38度台の発熱があり、環境や衣類の影響も考えましたが、再測定しても発熱が続いていました。
※新生児は環境温や哺乳、泣いた後などで体温が上昇することがありますが、3か月未満で38.0℃以上の発熱が続く場合は、受診が必要とされています。

受診後、検査の結果、RSウイルス感染症と診断され、入院管理となりました。

当初は哺乳も可能で、比較的落ち着いているように見える場面もありましたが、その後、哺乳中に無呼吸発作を起こし、酸素の値が低下する状況がみられました。迅速な対応のもと、呼吸管理が行われました。
※酸素飽和度は呼吸状態の指標であり、一般的に96〜99%が正常とされています。

その後、ICUにて慎重に治療が行われました。点滴で眠った状態の娘は、器械に呼吸を助けてもらいながら徐々に状態は安定し、回復に向かいました。退院後もしばらくは、吸引や通院が続くなど、日常生活に戻るまでに数か月を要しました。

RSウイルスは、多くのお子さんが2歳までに感染すると言われている身近な感染症です。

一方で、月齢や体調によっては、入院や呼吸管理が必要となるケースもあります。また、兄姉などから家庭内で感染するケースも少なくありません。

診療や経験を通して感じるのは、「いつもと違う」という変化に早く気づくことの大切さです。

・発熱が続く
・哺乳量が少ない
・呼吸の様子が普段と異なる

こうした場合には、早めの受診を検討することが重要です。

【病室での治療のご様子】

【テレビ電話のご様子】

写真:尾崎医師 提供

※本記事は医師個人の経験および一般的な医療情報に基づく内容です。
※すべての方に同様の経過が見られるわけではありません。
※接種の可否は医師と相談してください。
※文章・写真の無断転載、複製はご遠慮ください。

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2026年度から、妊娠28週0日から36週6日までの妊婦さんは予防接種法に基づくRSウイルスワクチンの定期接種対象となりました。
妊娠中に接種することで、出生後の乳幼児のRSウイルスによる下気道感染症の予防効果が認められています。

一方で、接種後に副反応がみられることがあり、接種部位の痛み・腫れ・赤み・頭痛・筋肉痛などが報告されています。

接種の対象時期は、妊娠週数や体調によって異なりますので、妊婦健診時、医師へご相談ください。

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