更年期障害の症状とは?前向きに年齢を重ねるための治療方法を紹介

更年期障害 症状

閉経前後5年間を更年期といい、その期間に起こる身体的、精神的な症状を更年期障害といいます。すべての女性が閉経を迎えますが、更年期障害の有無、程度は人それぞれで、重い方は日常生活に支障をきたすことも。

家事や仕事が思うようにできなくなったり、対人関係にストレスを感じたりと、更年期障害に悩まされている方が多くいらっしゃいます。

この記事では、更年期障害の症状や原因、治療方法をご紹介します。

今現在、更年期障害に悩まされている方はもちろん、これから起こる可能性があることを知りたいという方も、ぜひ参考にしてみてください。

更年期障害で起こる症状とは

更年期障害 症状

更年期障害は、症状といえるほどの異変を感じない方もいれば、日常生活を送るのが困難になる方もいらっしゃいます。

まずは、更年期障害で起こる一般的な症状をご紹介します。

血管運動神経系の症状

血管運動神経系の症状には、以下のようなものがあります。

  • のぼせ
  • ほてり
  • 動悸、息切れ
  • 寝汗
  • 発汗
  • むくみ など

ホットフラッシュと呼ばれるのぼせやほてりは、熱感や発汗とともに脈拍が増加し、顔面から頭部、胸部に広がっていくのが特徴です。

突然体が熱くなったり、ドキドキが止まらなくなったりして、気温にかかわらず汗をかいてしまうことも。

そのほかにも、少し歩いただけで息切れを感じることもあれば、寝ているときに胸がドキドキするケースもあります。

精神神経系の症状

精神神経系の症状には、以下のようなものがあります。

  • うつ
  • 不安感
  • イライラ感
  • 不眠
  • めまい
  • 頭痛 など

更年期障害による精神神経系の症状は、この時期の女性が心理的にも社会的にもストレスを受けやすいことも影響しているといわれています。

子どもの自立、親の加齢、仕事での責任、夫婦間の問題に加え、閉経することや自分の容姿が衰えることによる不安感など、自律神経のバランスが乱れているところにストレスが重なって、うつ症状が出たり、イライラ感が増したりします。

感情のコントロールができなくなることで、人間関係もうまくいかなくなるなど、さまざまなことが重なって負のループに陥ってしまうのです。

皮膚、分泌系の症状

皮膚、分泌系の症状には以下のようなものがあります。

  • ドライアイ
  • のどが渇く
  • 湿疹
  • 皮膚の乾燥 など

女性ホルモンの働きが低下すると、粘膜や皮膚が乾燥します。ドライアイやドライマウスといった症状が現れ、皮膚の乾燥も気になるようになります。

目薬を使用したり、水分補給をこまめにしたりする必要がありますが、部屋の湿度を上げて乾燥しないようにするなどの工夫も重要です。

消化器系の症状

消化器系の症状には、以下のようなものがあります。

  • 吐き気
  • 食欲不振
  • 胃もたれ
  • 便秘
  • 下痢
  • 腹部膨張感 など

自律神経のバランスが乱れると、胃腸の働きに強い影響を及ぼします。胃腸の働きが弱くなることで、消化力も弱くなり、胃もたれや吐き気といった消化器系の症状を感じるようになるのです。

食欲不振になったり、胃がムカムカしたりする症状や、便秘、下痢などを引き起こします。ただし、これらの症状は、胃腸炎や胃がんの可能性も考えられるため、慢性的に症状が続くようであれば医療機関を受診するようにしましょう。

運動器官系の症状

運動器官系の症状には、以下のようなものがあります。

  • 筋肉痛
  • 背筋痛
  • 肩こり
  • 腰痛
  • 関節痛
  • しびれ など

肩こりや腰痛は、男性より女性が発症しやすいといわれています。男性に比べて筋肉が弱いことが理由ですが、更年期になると加齢によって筋肉や骨の老化が増していくことも原因の一つです。

また、関節のこわばりや腫れ、痛みなどによって、階段の上り下りが困難になったり、歩くときに違和感が生じたりすることもあります。

泌尿器、生殖器系の症状

泌尿器、生殖器系の症状として、以下のようなものがあります。

  • 月経異常
  • 頻尿
  • 尿失禁
  • 性交痛
  • 骨盤臓器脱 など

女性ホルモンの働きが低下することや、ストレスによって閉経前は月経異常が起こりやすく、生理がこなかったり、経血量が少なかったりという状態を繰り返し、閉経していくのが一般的です。

さらに、骨盤底筋群のゆるみが生じることで頻尿や尿失禁を経験したり、膣の渇きによって性交痛が生じたりすることから、女性としての自信を無くしてしまう方も少なくありません。

更年期障害の原因

更年期障害 症状

更年期には、さまざまな症状が出ることがわかりましたが、それらの原因は女性ホルモンの働きが低下することと大きく関係しています。

そもそも女性は、卵巣からエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンが定期的に分泌されていて、妊娠のための準備を行っています。

しかし、更年期を迎えると卵巣機能が低下し、それに伴って女性ホルモンの分泌量も低下します。脳の視床下部から「ホルモンを出す」という指令が出されているにもかかわらず、ホルモンが分泌されないことで脳がパニック状態になり、自律神経に乱れが生じるのです。

さらに、加齢によって筋肉や骨が弱くなり、精神的にも家庭、職場、地域などの問題が積み重なることで、更年期障害の症状を悪化させていきます。

更年期障害の治療方法

更年期障害 症状

更年期障害の症状は人それぞれ異なるため、症状が重く日常生活に支障をきたしている方は、生活習慣を見直すとともに専門の医療機関を受診して治療をはじめましょう。

ここからは、更年期障害の治療方法についてご紹介します。

ホルモン補充療法(HRT)

更年期障害の治療として一般的なのは、ホルモン補充療法です。減少したエストロゲンを補充することで、根本的な治療を行います。

とくに、ホットフラッシュなどの血管運動系の症状を改善させる効果が高いとされていて、ホルモン補充療法には経口剤と経皮吸収型製剤があります。

子宮を摘出している方にはエストロゲン単独療法、子宮がある方にはエストロゲン、プロゲステロンを一緒に投与する併用療法が用いられます。

ホルモン補充療法の主な副作用は以下です。

  • 不正出血
  • おりものの増加
  • 乳房の張り、痛み
  • 下腹部の張り
  • 吐き気 など

これらの副作用は、治療を続けているうちに自然に治まることや、薬の種類を変えることで対処可能です。副作用がどうしてもつらいという方は、医師に相談するようにしましょう。

また、過去に海外の研究結果から「ホルモン補充療法は乳がんの危険性が高い」と取り上げられたことがありますが、近年改めてその危険性は見直されていて、メリットの多い治療として再評価されています。

漢方

更年期障害の治療には、漢方が使用される頻度も高いです。ホルモン補充療法と併用して行われることもあれば、単独で漢方の治療のみを行うこともあります。

西洋医学では、対症療法(痛みに対して鎮痛剤を使用するなど)が用いられることが多いですが、漢方医学では身体全体の状態を総合的に判断し、崩れたバランスをもとに戻すという観点で治療を行います。

漢方医学の考え方は「気・血・水(き・けつ・すい)」が、バランスよく身体の中を巡回している状態が健康であるということ。

一人ひとりに合わせた処方によって、ぴったり合えば複数の症状に対して効果を発揮するのが特徴で、更年期障害には以下のような漢方薬が用いられます。

  • 加味逍遙散(かみしょうようさん)
  • 五積散(ごしゃくさん)
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
  • 温経湯(うんけいとう)
  • 温清飲(うんせいいん)
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

「気・血・水(き・けつ・すい)」の3本柱が崩れやすい更年期は、症状が年月とともに変わることもあるため、少しでも気になることがある方は医療機関で相談してみましょう。

抗うつ剤、抗不安薬など

更年期にはエストロゲンが減少することで、脳内のセロトニンと呼ばれる神経伝達物質も減り、気分の落ち込みや憂うつ感を強めることがあります。

ホルモン補充療法で憂うつ感が解消されたという方もいらっしゃいますが、改善されない場合やホルモン補充療法が行えない場合、気分の落ち込みが激しい場合などは、抗うつ剤や抗不安薬を使用する方が良いケースもあります。

抗うつ剤は、脳内のセロトニンやアドレナリンなどの神経伝達物質の減少を改善させる働きがあります。抗うつ剤にもいくつか種類があり、症状や医師の判断によって薬が処方されます。

抗不安薬は、不安感、緊張感を和らげる効果があるため、抗うつ剤と併用されることが多いです。

抗うつ剤や抗不安薬には、吐き気や嘔吐、頭痛、眠気、ふらつきなどの副作用が現れることがあります。副作用がつらい方は、医師に相談してみましょう。

とくに抗うつ剤は、効果が現れるまでに時間がかかることや、再発の可能性があることから自己判断で中止するのはおすすめできません。不安なことがあれば、すぐに主治医に相談するようにしましょう。

モナリザタッチ(膣のエイジングケア)

モナリザタッチは、女性が抱える不快な症状の緩和を目指して開発された膣用レーザーで、痛みをほとんど感じさせずに、更年期障害の症状である膣のかゆみや臭い、乾燥などを改善します。

膣内に専用プロープを挿入し、炭酸ガスフラクショナルレーザーを数分照射すると、膣粘膜の線維芽細胞を刺激して新たなコラーゲンを生成します。

モナリザタッチの施術を受けると、膣がふっくらして締りがよくなることや、尿漏れを改善させる効果も期待できるのです。

症状によって複数回の治療が必要となることもありますが、膣の老化にお悩みの方へおすすめの治療方法です。

まとめ

更年期障害は、人によってさまざまな症状が出ますが、年齢のせいと諦めている方も多く、つらい症状に一人で向き合っている方も少なくありません。

そんな更年期の症状は、適切な治療を受ければ改善に導くことができます。

岡村産科婦人科では、あらゆる年代の女性に対して正しい知識をお伝えしたうえで、最善の治療方法をご提案させていただきます。

人にはなかなか相談できないお悩みや不安を、少しでも改善に導けるようサポートさせていただきますので、更年期障害にお悩みの方はぜひ岡村産科婦人科までお気軽にご相談ください。

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